元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂氏が、股関節の具合が悪化したため人工関節手術を受けると出演する番組「ザワつく! 金曜日」で明かしました。一般的には、長年の運動や身体への負荷が股関節に影響を及ぼし、痛みや可動域の制限が増してくると最終的な手段として手術をするケースがよくあります。有名人ではプロレスラーの大仁田厚選手やグレートムタ(武藤尊司)選手、ゴルフのジャックニクラウス氏などが人工関節の手術を受けています。
人工関節手術とは?
股関節の手術で人工関節を装着するのは、股関節が大きく損傷したり、変形性股関節症などで軟骨がすり減り、強い痛みや運動制限が生じた場合です。長年のスポーツ活動や加齢による変化が、股関節の痛みや不具合を引き起こす原因となります。人工関節を装着することで、痛みを緩和し、関節の動きを改善させることが目的です。
手術が必要になる状態
股関節の手術が必要になるケースとして、以下のような症状が考えられます。
- 変形性股関節症:股関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接接触することで痛みや腫れが生じ、歩行や運動が困難になります。
- 股関節脱臼:股関節が正しい位置に収まらず、痛みや歩行障害が発生します。
- 股関節壊死:血流障害によって股関節の骨が壊死し、強い痛みが発生します。
これらの症状は、リハビリや薬物療法では改善しない場合、最終的に人工関節置換術が選択されます。
人工関節とは?
人工関節は、人体の関節を模した人工のパーツで、通常、金属とプラスチックやセラミックでできています。股関節に使用する人工関節は、骨盤側の「カップ」と大腿骨側の「ステム(柄)」、そしてその間を動かす「ボール」の3つのパーツから構成されます。
手術では損傷した関節部分を除去し、この人工関節を装着することで、摩擦のないスムーズな動きが可能となります。最新の人工関節は耐久性が高く、20年以上持つことも珍しくありません。
予後とリハビリ
人工関節手術後の予後は、個々の状態や手術の成功度によって異なりますが、ほとんどの場合、痛みが大幅に軽減され、生活の質が大きく向上します。手術後はリハビリが重要で、適切な運動療法を通じて筋力を回復させ、人工関節を支える周囲の筋肉を強化することで、術後の回復をスムーズに進めます。
長嶋一茂氏の場合も、手術後にはリハビリに励むことで、日常生活や仕事に早期復帰することを見込んでいることでしょう。一般的には術後3か月から半年ほどで、通常の活動に戻ることが期待されます。
人工関節手術は、日常の痛みや不自由を解消するための有効な手段であり、多くの患者にとって生活を一変させる治療法です。